花 すすき われもこう ほととぎす 秋海棠 花入れ 砧
軸 一声 十三代家元 圓能斎鉄中宗室
一声といえば鶴ですが、雀がたくさん集まって鳴くよりも、たった一羽でも、美しい鶴がひとこえあげる方が、よく響き、目立つとのことからすぐれた人がひとこと言う方が価値のあることのたとえとして使われます。一般的に言ってわずかのことしか知らない人々は多くの事を語り、多くの事を知っている人はわずかなことしか語らない。無知な人間は自分が知っていることをなんでも重要なことだと思い、だれにでもそれを話す。ところが教養のある人は容易にかれの持ち物を公開しない。かれには語るべきことがありすぎるし、自分に言えることのほかにもまだ多くの事が言えることがわかっている。だから口をつぐんでいる。私達のような世間知らずは自分の知っていることにさらにいろいろ尾ひれをつけて話したくなりますが、“一声”覚えておきたいです。
棗 輪島塗
秋草の模様で桔梗の青貝の象嵌がとっても綺麗です。それぞれに秋の趣向がうかがえます。
こちらはとらやの羊羹で、切る場所によって月が満月からだんだんかけていくというとっても不思議な限定品です。匠の技ですね。十五夜とは旧暦の8月15日を指し、中秋の名月、この時期収穫された里芋をそなえることから芋名月と呼ばれ、中国から伝わったものだそうですが、旧暦9月13日は十三夜と呼ばれ、こちらは豆名月、栗名月という。満月よりすこしだけ欠けて趣があっていいのだそう。日本独自の風習で、江戸時代の遊里ではどちらか片方の月しか見ない客は片月見で縁起が悪いといわれ、二度目の通いを確実に行うために十五夜に強力な客を誘う風習があったそう。昔の遊女も商売上手ですねえ~、いやさすが。
今月は社長の氏家が濃茶に挑戦です。正客から手送りでお茶椀を受け取って、皆同じ飲み口で戴く。末客の分を残して両手で送る。お茶席は初めてかと思いきや、とってもスムーズ、様になってます。手も綺麗に揃ってます。会社の重役はこのような場所でも一糸みだれず、さすがです。こういうところで人物がわかるということでしょうか?これからいろいろな人を招待して観察すると意外な一面がみられるかもしれません。たくさん引率してきてくださいね。
主菓子はみのりという銘の上用です。
栗の甘露煮をいれてあります。栗は鮮度が命。時間を置くと堅くなり渋くなって真っ黒になりどうにもなりません。生産地に近い香川ではたくさんいいものが作れるのでぜひ挑戦してください。柔らかくなるまでよく炊いて蜜は徐々に糖度をあげるのが基本です。
はやいもので新入生が立礼でお手前をしています。先生の指導がいいのか綺麗ですね~。人は自分ができることでなければけっしてうまく他人にやらせることはできない、まさにそのようです。美しいお手前だとお茶も美味しそう。