【茶道クラブ】
~ 皐 月 ~
五月から炉から風炉にかわります。
気分が一新して文字通り風通し。風炉の季節のいちばんのご馳走は風通しということのようです。最近のごちそうといえば五感のうちでも味覚が重要視されがちですが、風は蝕覚で涼風を感じ、視覚で緑の葉の動きを見たり、聴覚で葉ずれの音を感じ、嗅覚で緑や土の匂いを風が運んできたりします。味覚以外のほかの感覚の楽しみをもっと深めていけたら、食事の会席やお茶の楽しみももっと広がっていくような気がします。
ある外国人の本では日本の陶器のことを、口にした途端人とキスをしたような生身の人間の温かみを感じ、高貴が香り立ってきたと表現されていました。(そんなお茶碗があるならちょっとがんばって買おうかな、と真剣に思いました。)器に接する触感もご馳走になる。ごちそうは日本にはそこここにあふれていますが、それを感じ取るだけの感受性を養っていけたらと思います。
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花入れ 備前焼き
花 葦
白なでしこ
こぼうずおとぎりそう
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花は野にあるように おそらく野草なのでしょうが、とても可憐で
控えめな美しさが、お茶室に調和しています。
貴人点という手前を教えていただきました。
貴人さんとは 天皇や将軍、今の時代で言えばお寺の老師などに
あたるそうです。正面をはずしたり、目をあわせないなど、
時代劇で面をあげよっていわわれるまで控えてる、あのパターンです。
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薄器
白漆 吉田華正 作
葦と雉の蒔絵
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白淡なんてあるのは初めて知りました。
漆が茶色なので白漆はどうしてもベージュになるそうですが
漆は時間とともに透き通っていくから、最初は茶色の強いベージュでも
少しずつ白が明るく変わっていくそうです。時が経て作る変化も面白そうです。
主菓子は佐藤先生のお手作り餡を緑に色づけした餡で包んで、
回りを寒天で茶巾でしぼっています。この繊細な色をだすのは本当に難しい。
和菓子の色などは日本特有の色彩感覚だとおもいます。
視覚で感動するご馳走です。
今月もたくさんのご馳走を頂きました。