2013年8月30日金曜日

【茶道クラブ】平成25年8月21日


 
 軸 南無阿弥陀仏
 六字名号の掛け軸です。お盆の頃、迎え火をして先祖の霊を家に招き、僧侶を招きお経や飲食の供養をし、送り火を焚きご先祖様に帰ってもらう。先祖や亡くなった人を祀る行事です。南無阿弥陀仏と唱え参らせるだけで極楽にいけるといったのは親鸞聖人ですが、“善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや。”自分を善人としか評価できないものですら往生する、まして悪人と評価できるものが往生できないはずがない。ところが悪人が救われるならと悪事をなそうとするものがでた、これを憂慮して“くすりあればとて毒をこのむべからず”と戒めたとあります。何百年も前の時代から人は都合のいいように解釈するものらしいです。悪人正機とは身の程を知れということでしょうか?昨日は少しばかりの粘液、明日はミイラか灰、結合と崩壊を繰り返しながら万物は常に変化している。もっとも長命の者も、もっとも早死にする者も、失うものはおなじである。人が失いうるものは現在だけで、何人も自分の持っていないものを失うことはできない。私達が与えられている今を精いっぱい生きて、亡き人を供養したいと思います。


 



 花 むくげ さぎそう
白鷺が羽を広げた姿にそっくりです
花入れ 通り筒 輪切りにした竹筒に藤づ
るなどで下げ緒をつけた花入れ



主菓子 ほおずき
ういろう生地で白餡を包んだ主菓子。繊細な色は二色の生地を組み合わせてぼかしています。
ほおずきの柄はほうじ茶、朝顔の葯には錦玉を使っています。鬼灯(ほおずき)はお盆にガクに包まれた果実を死者を導く提灯にみたて、枝つきで飾るそうで盆花の一つだそうです。仏壇を飾る赤い提灯という意味があるそうです。

有名な朝顔の茶会は、千利休が満開の朝顔を一輪を残して全部切り取り、迎えられた秀吉はいぶかしんだが茶席に飾られた一輪の朝顔に感動したといわれるエピソード。



次の間に且緩緩(しゃかんかん)という軸が掛けられていました。まあゆっくりあわてずにいきなさいという意味だそうです。相手の緊張を解きほぐしたり、焦りをなだめたりする場合に使われる言葉。現代人には座ってゆっくりお茶を飲む時間が大事かもしれません。



佐藤先生と社中の方達と剣山の天然記念物キレンゲショウマを見てきました。この花は茶室に飾るわけにもいかず、ここまで茶箱を持ってこないといけませんね。絶滅危惧種だそうですが、標高1400mの高地でひっそりけなげに花を咲かせる姿はまさに天涯の花。






夏の暑い時期でしたが、涼しげなお茶室に心も洗われたようでした。食欲もなくなるお年寄りも多いようですが、一人ではあまり食べないようなお年寄りでも皆で集まっているといつもより食べるそうです。そんな先生の気遣いを尊敬して、いろんな人とのふれあいや心くばりを大切にしていきたいと思います。