2014年6月3日火曜日

【茶道クラブ】平成26年5月21日


風炉先 山路きて何やらゆかしすみれ草 
奥の細道で有名な松尾芭蕉の野ざらし紀行の一句、京都から大津へ至る、逢坂越えの道を歩いて、どのくらい山道を来たかな?一休みとおもって足元をみるとすみれ草が咲いている。ひっそり佇む姿につい心がかさなって、どことなく懐しさを覚えてしまう事であるよ。

弟子と共に喧騒から離れ、庵を捨て旅の笠の下に身を置き、静寂と孤独を求めて旅にさすらううちに自然に倣いそれを表現していった芭蕉の俳諧師としての純粋さが感じられます。


 軸 夏の涼風 冬の雪 
 夏と冬、それぞれをイメージすることによって物事はある一方とある一方との対比であり、どちらか一方だけでは存在しえないことを思い出させます。暑い夏がなければ冬の寒さは表現しようもない。表現という捉え方でいうと、暑さ寒さもありがたく思えてきたりするかも?

  丸は円相 円窓と書いて己の心をうつす窓という意味もあるそう。客が来たときだけあわてて磨くというふうではなくて、いつ誰がのぞいても恥じることない清らかな心を常に持ち続けたいものです。
 
 

主菓子 牡丹
 餡をピンクで着色した道明寺で包み氷餅をまぶすことによってとても淡い日本人らしい和菓子で、黄色が色どりを添えてます。とてもやわらかくて美味しいお菓子でした。





 
 薄器は篠原如雪 
 正面をきちっとあわせないと図柄があわなくなってとても不細工なことになってしまう棗。
自然扱いは普段より意識することになります。どこが正面でもいいなんて考えは先生にも道具にもとても失礼ですよね。きちんとわきまえてあつかうことによって、己の所作もよくなり、あらゆるところで気配りをする習慣が身に付きます。物の道理をわきまえることの大切さ。体得するまではまだ相当な努力を必要としますが・・・。






 

 今回は二人の先生が横にならんで丁寧に一人ずつ教えていただきました。歩き方や足の運び方などとても細部にわたって指導していただき、一回ではとても習得できそうにはありませんが、継続してつづけることによって身につけていきたいと考えます。今月もありがとうございました。