【茶道クラブ】
~ 卯月 ~
花開萬国春 鵬雲斎 一輪の花が天下に春の訪れを告げる
ここでいう花開くというのは、単に桜や梅の花がさくことではなくて、心の花が開くこと、悟りが開けること。長い忍苦精進の果てに到来した転迷開悟の喜びをうたったもの
花 卯の花 紫蘭 踊子草
日本で花といえば桜ですが、奈良時代までは花といえば梅だったそうで、これは唐から教わった、でも先生の真似べったりではなく自前の花がほしくなった。そこで登場するのが桜だったそうです。そしては花見が国民的風習になったのは、太閤秀吉の影響ではないかとされ、醍醐の花見など盛大に催され、公家から庶民まであらゆる階層の人々にも親しまれるようになった。こんなに桜が好きな国民は稀だそうで、花といっても一週間で散ってしまうし、その後は葉ばかりで一切役に立たず、毛虫はわくわ、葉はちるわで庭木には一切適しない。たった数日の楽しみのために、一年中ほとんど役にたたない桜を植えているのが日本。戦時中の日本兵も、瞬時咲き誇っては散り果てる桜の花にみずからをなぞらえた。長く咲き続ける梅や菊ではなく、はかないもののなかにある一瞬の美しさに惹かれるのが日本人の感性かと思います。
道心棗 中棗 緑松
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道心とは私欲を捨てて仏道にはいった人
四国ではお遍路さんですが、遍路は4月の桜の頃を中心に
巡拝するため春の季語となっていて、この時期用いられるそうです。
桜に童の子 切高台
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桜の花びらを追って戯れている子供たちがとっても愛らしくて和みます。
高台も非常に美しいお茶碗
主菓子 練り切り
花いかだ
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練り切り生地を赤と緑で着色して、千筋をひいて、桜の花びらをかたどった生地で飾りつけています。桜色がなんともいえず春めいています。
干菓子 ふのやき 松屋藤兵衛
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押してある焼印も桜です。今月は桜尽くしのお茶室でした。
H24.4.19