軸 無事是貴人
無事という言葉をみると、12月だなあという感じをうけるようになりました。今年も無事に過ごせたと振り返ってしまいます。世の中で誰もが求めていて、誰もそれを見たことがないものが幸せ。不幸せというのはよく見える。不幸せが見えない時こそ幸せなのだ。毎日目が覚めるとまだ生きている、それが幸せというもの。無事という言葉のありがたさを考えてしまいます。この軸を禅語で解釈するなら、遠くへ求むるはかなさよ、私達は皆生まれながらにして仏性をいただいていることなのである。そのことを抜きにして他に仏や悟りを身につけようとすることは愚かなことであると気付かなければならない。平常のありのまま、そのままでいいではないか。外に向かって道を求め、脇道わき見をしては悟りの道を求めているがそれはまちがいである。貴人とは真に尊ぶべき人、無事はただ、造作すること莫れという意味だそうです。
花 りんご
柊の茶碗に白棗、水指はクロスに蓋はツリー?お茶室でクリスマス気分が楽しめました。
お稽古風景。今月は繁忙期の業務をぬってフルメンバー参加です。皆忙しさから癒されたかったのかな?疲れた体にお茶一服、この空間が至福のひととき。主菓子は蜜柑大福。横に切ると綺麗ですね。今年も新旧さまざまなメンバーでにぎやかに終えることができました。お手前もそれぞれなんとか様になってきて、手つきも美しく揃っています。継続は力なり。なかなか時間はとれませんが皆で仲良く頑張っていきたいと思います。
お寺の新年0時からはじまる修正会の後の会食の準備をさせていただきました。佐藤先生の手作り御節料理です。御節の一つ一つの料理は、火を通したり干したり、あるいは酢に漬けたり味を濃くするなど、日持ちする物が多く、これは歳神を迎えて共に食事を行う正月の火を聖なるものとして捉え、神と共食する雑煮をつくるほかは火を使う煮炊きをできるだけ避けるべきという風習に基づくのだそうです。椀はもちろん餡餅雑煮。香川特産の和三盆糖、でも庶民の口には入らずほとんど藩におさめられていたそう。でもお正月くらい自分達が作った贅沢品を食べたい。でもおおっぴらに食べるわけにいかないから餡にして雑煮の餅にくるんで食べたという話だそうです。和三盆の土地ならではの郷土料理です。御膳などは雲水の方々がお運びを手伝ってくださいましたが、その立ち居振る舞いの美しさに見とれてしまいました。物静かなオーラがただよって、こちらもおのずと背筋がのびる思いでした。人を制するのに多くの言葉はいらない。己がぶれなければおのずと他人はついてくる。修行の足りない私達はつい多弁になったり-動に偏った行動をとってしまいがちですが、静と動、この二つのバランスがとても大事なことに気付かされました。
年末年始と忙しい中、茶道クラブにも手を抜かずに御指導ありがとうございました。また新しい年もよろしくお願いいたします。