2014年10月23日木曜日

【茶道クラブ】平成26年10月15日


 軸 大道長安通 卓厳 花 すすき われもこう 秋明菊  花入れ 備前

 私達が生活している上で、当たり前のように享受していることが、実は大変な道を作ってかなえられたものだという事が、過去を振り返ると分かります。明治維新だったり、敗戦後の日本だったり、日本という先進国を作り上げるのにはすさまじいいくつもの道が作られた。この軸のように、~長安という夢に到達するにはどうすればいいか~という思いがあったとして、そのためにどうやって道を通すか考える。その道は行き止まりで引き返さなければいけなかったり、大きな障害物があったり、地盤が悪くて基礎工事が必要だったり・・。幾重にも阻む壁があってたどりつけないのではないか?それでも絶対にそこまでいくという強い信念と情熱があって、今のこの道がある。それなのに時がたち最初からそこに道がある世代になると、あまりにあたりまえすぎてそこに道があることもわすれてしまう。放置されけもの道になって通れなくなってしまったり、より安易な道を選んで橋が壊れて消滅してしまったり。この道を維持するのにも努力を惜しんではいけない。継続して踏み固める必要もあるだろうし、老朽化もして新しい物に取り換えなければいけなくなるかもしれない。過去3000年に渡って先人達が守り、道をつけ、受け継いできた国を引き継ぎ、未来への夢とともに運んでいきたいと思います。


主菓子
 優り草 ういろう 菊の花を模しています

 秋海棠 きんとん 緑の葉、ピンクと白の花弁、黄色のおしべが華やか





鶏卵素麺 ポルトガルから伝来した南蛮菓子でポルトガルでは卵の糸と呼ばれているそう

栗月下  たねや 蒸し栗を押し固めてあってほくほくした栗の味そのもの、とても美味しいです。

スティルトンブルーのチーズケーキ、日本にはないめずらしい味です。甘くはないけどブルーチーズの濃厚な味で、日本で似たものを探すと酒粕か味噌?各国の発酵食品で作る食文化を比較するのもまた楽し。

 
 
 
いつのまにか部員が増えてちょっとにぎやかになりました。自然と笑顔も多くなります。礼儀作法の習慣の影響は強くて、優しさや親切や喜びのしぐさを演じるならば憂鬱な気分も胃の痛みもかなりのところ治ってしまうものだそう。お辞儀をしたりほほ笑んだりするしぐさはまったく反対の激怒、不信、憂鬱を不可能にしてしまう。社交生活や訪問や儀式やお祝いが好まれるのは幸福を演じるチャンス、この種の喜劇は我々を悲劇から解放する。そして情念から解放されるのは思考の働きによってではない、からだの運動によってである。茶道で礼儀を学ぶことによってマイナス感情から解放し、お手前することによって様々な不安や恐怖から体を解放できるという効能。多くの人に広めたいですね。

2014年10月2日木曜日

【茶道クラブ】平成26年9月17日


花 秋草をかごの花入れにさしてありました。花で季節を表現できるのも日本のいいところだと思います。彼岸の頃にちゃんと地上にでてきて花をつける彼岸花。毎年変わらず繰り返される光景になぜか安心感を覚えます。去年と同じ自然が繰り返される光景。毎年少しずつ気温が上がったり雨が増えたり、環境も同じではないことは覚悟しなければならない現実ですが、花も人も自然に生かされてここに存在することを忘れないでいたいと思います。
軸 円相
軸飾りというお手前もあるそうで軸の取り扱いについてちょこっと教えていただきました。
軸物を巻いたままの状態で床の間に飾られ、客の前でかけていくお手前。巻き方や紐のかけ方、風体の取り扱い。それぞれ軸を傷めないようさまざまな決まりごとがあるようで、家にねむっている掛け軸を広げてみてみないとという気持ちになりました。


 
更好棚の薄茶点前。お茶の棚は大変種類が多くて、それぞれお手前が変わってきます。柱が2本だったり4本だったり、扉がついていたり。日本人は昔から器用でいろんな道具を作るのが好きだったのかなと感じてしまいます。
お菓子は栗の渋皮煮を先生が作ってくださっていました。とても綺麗に渋皮の掃除をして炊いてあるので色がとても上品です。夏の気候が例年になく不安定で、栗の出荷量も少なく入手困難が心配されましたが、今年も山の恵みを頂けることに感謝する気持ちになりました。佐藤先生には希少な栗をありがとうございました。来年もまたこの味が食べられますように。
来月はお月見にお誘いいただき楽しみです。季節ごとに様々な趣向でご案内いただき、四季を味わう事ができる喜びをありがたく思います。