2015年1月23日金曜日

【茶道クラブ】平成27年1月12日






今月は初釜の茶事です。床にはお正月飾りの神楽鈴。音は人間にまつろわぬ獣や魔物を追い払って生命を守る楯であり、神を引き寄せる合図としても欠かせない物。他に結柳に掛け蓬莱、軸の鏡餅など年神様を迎える雰囲気が感じられます。客人として招かれた男性の方々もスーツ姿でお集まりいただきありがとうございました。


本懐石料理です。

日本料理は仕込みという料理の下準備によって素材を美味しくする作業を大切にするのが他国の料理との一番の違い。近年漁獲量減少で危機的状況ではありますが・・。天然がなくなればソースが発達するかも。伝統を守るためには豊かな自然を守らないといけないですね。汁になにげなくのってる小豆一つとっても美味しく食べられ、色艶形綺麗にしあげるのは至難の業。

 


メインディッシュとなる煮物椀

 吸いものが主役とは水が綺麗な日本ならでは?漆塗の椀のなかに澄んだ出汁や季節の食材を使って最大限に席を演出する。海老真薯の赤と白の花びら茸をつかって紅白の華やかさを表現し、椀のサイズに下処理された大根が季節の恵みを感じさせてくれます。柚の黄色が彩りを添えて日本の美を凝縮した一品。具材を合わせても汁が濁らずに仕上げるためにどれだけの手間がかかったでしょう。お御馳走様でした。




 
焼物 

 備前焼と一体になって盛られた焼物。絶妙に焼かれた皮がとっても美味しそうで器の色合いとも同化しています。これだけ形をそろえるのはさぞかし大変でしょうね・・・。


   


 
炊合せは海老芋、鴨、水菜、柚

 秀吉も好んで食べたとされる鴨。肉食禁止令の日本で食された数少ない鳥獣類だったのでしょう。鴨にまつわる諺の多さからも身近な食材だったと推測されます。脂の載る冬が一番の旬。フォアグラにする考えはなかったようですが・・・。



 干し柿+菊菜の白和え

 秋に収穫した柿を吊るしてお正月に食す。甘みの強い貴重な食材だったのでしょう。信長もポルトガルの宣教師に贈ったという逸話もあるみたいですが、柿と思わずイチジクと誤解してたとか、さもありなん









小吸物 箸洗い、和製のグラニテ?脂たっぷり濃い味で毎回フォークが変わるフランスではシャーベットですが、日本は舌と箸も洗わないといけないので白湯であります。
一体どんな人が作っているの?と思われた方に、高松檀紙から桂川さんです。皆で日本料理食べに行ってみよう。




 
八寸 数の子と千社登

ちしゃとうとはレタスの仲間で翡翠のような色から縁起のよい野菜とされています。

湯桶と香の物

ご飯を炊いた釜の底の焦げた米を出汁に食べたことから、いまは煎った米が入ってますが、香ばしい香りと適度な塩加減でこれも日本文化ですね。フランスではパンで少々お皿を清めますが、こちらは択庵できっちり清めます。



 
主菓子 花弁餅 干菓子 ザボン漬け

洋菓子はよくチョココーディングされてますが、和食なのでお砂糖にしておきました。

西洋と比較するつもりはありませんでしたが、日本独自の食文化は大切にしたいですね
 

 
 
 
お正月は和を十分に満喫することができました。茶道を通じて食文化にも触れられ、日本でこそ発達した調理法、豊かな自然あっての素材の素晴らしさ、奥深さを知ることができ無形文化遺産として大切に守っていかなければいけないなと感じました。これからも日本の良いところを見つけていきたいと思います。
 

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